この記事では、
ソフトバンクの株価が危ない?10年後上がる?なぜ上がらないのか調査!
について書きました。
上場来高値の1620円を超えるかどうか、という状況です。
まだSBGの株を持ってない方は、今仕込むか、また、IPOで初期から持っている方は、どうするのか、など注目が集まっています。
今後の行方を調査しました。
ソフトバンクの株価が危ない?
ソフトバンクの株価が危ない?と気になって調べている方が一定数います。
ソフトバンクの株価は、2023年4~6月期の連結決算が4776億1600万円の赤字だったものの、力強く上昇しました。

TradingViewよりお借りしました。
その原因をまとめました。
2023年第1四半期決算が赤字
ソフトバンクは、2023年第1四半期決算(2023年4月~6月)を発表しましたが、4776億1600万円の赤字でした。
しかし、ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業という、新興の成長企業に投資する分野の利益が、6四半期ぶりに黒字になったのは、明るいニュースでした。
ソフトバンク=投資会社のイメージを持っている方も多いのではないでしょうか?
その通りで、ソフトバンクグループは、投資で大きく成長してきました。
その投資がうまくいってないという印象を持つ方も多いと思います。
しかし、やっと投資部門が黒字になって、ホッとした方も多いのではないでしょうか?
ちなみに、ソフトバンクグループは現在、大きく分けて4つの事業を営んでいます。
- 持株会社投資事業
- ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業
- ソフトバンク事業
- アーム事業
情報元:https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/news/18/15741
2023年3月期決算も赤字
ソフトバンクは、2023年3月期決算(2022年4月~2023年3月)も9701億円の赤字でした。
原因は、円安の影響や米WeWork(ウィーワーク)の株価低迷もあり、ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業の損失が膨らんだことです。
5兆3223億円もの損失を出し、グループ全体の決算の足を引っ張りました。
これだけの損失を出しながら、グループ全体の赤字の額が小さくなったのは、アリババ集団の株を売却したからです。
ついに、アリババを手放すのか、というSNS上での声を見た方もいるのではないでしょうか?
情報元:https://www.asahi.com/articles/ASR5C6Q8JR5BULFA01F.html
2022年3月期決算も赤字
前年の2022年3月期決算(2021年4月~2022年3月)も、1兆7080億円もの赤字でした。
その理由は、投資先の株価が大きく下がったからです。
やはり、足を引っ張ったのは、ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業でした。
孫正義と言えば投資の神様で、その先見性が注目されていますが、陰りがみえてきたのかな?と心配する方もいたでしょう
世界の金融不安
ソフトバンクの株価が大きく下がったのは、2023年3月でした。
5日連続で下落し、9カ月ぶりの安値を付けました。
その原因は、アメリカのシリコンバレー銀行の破綻でした。
- シリコンバレー銀行は、新興企業向けの融資に力を入れていた
- アメリカの利上げで、新興企業の資金繰りが悪化
- 世界的な金融危機が起こるのではないかと不安視
これらが理由で、ソフトバンクの株価が下落しました。
ソフトバンクの株価が危ないかも?と思わせるには、十分な材料だったと思います。
情報元:https://shikiho.toyokeizai.net/news/0/659941
ソフトバンクの株価は10年後上がる?
ここまでソフトバンクのネガティブな材料を集めてきました。
逆に、ソフトバンクの株価が10年後に上がるかも?と思わせるポジティブな材料もたくさんあります。
売上高は過去最高を毎年更新
ここ数年赤字が続いているソフトバンクですが、売上高は、毎年過去最高を更新しています。
下の表をご覧ください。(単位100万円)
会計年度 | 2020年3月期 | 2021年3月期 | 2022年3月期 | 2023年3月期 |
売上高 | 5,238,938 | 5,628,167 | 6,221,534 | 6,570,439 |
売上高が増加した要因としては、以下を挙げています。
- 法人事業、ヤフー・LINE事業の成長
- 通信料値下げの影響が一巡した
- 減価償却費の減少
- ネットワーク運用コストの削減
本業でしっかり売り上げを伸ばしているので、ソフトバンクの株価が危ないかもいう心配は減りますね。
情報元:chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.softbank.jp/corp/set/data/ir/documents/presentations/fy2021/results/pdf/sbkk_earnings_presentation_20220511.pdf
PayPay事業の広がりへの期待
ソフトバンクは、Zホールディングスとともに、2022年10月にPayPayを連結子会社化することを発表しました。
PayPayの利用者は、5,700万人を突破し、決済取扱高も10兆円を超えています。
楽天は、「楽天経済圏」を作り、生活のあらゆる場面でグループを利用してもらい、囲い込みしました。
ソフトバンクグループは、経済圏のようなやり方は否定していますが、どちらにしてもPayPayの加盟店や利用者獲得を強力に推進しています。
たんに決済手段として利用してもらうだけでなく、ビッグデータを得ていろんな分野で利用していくとなると、ここから計り知れない力を持つ可能性もあります。
情報元:https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00677/070800020/?n_cid=nbpnxt_twbn
配当が高い
ソフトバンクの株価は10年後上がるかどうかの理由として、配当が高いことはポジティブな理由と考えます。
ここ数年の配当を確認してみましょう。
2023年3月期 | 86.0円 |
2022年3月期 | 86.0円 |
2021年3月期 | 86.0円 |
2020年3月期 | 85.0円 |
2019年3月期 | ー |
情報元:https://www.softbank.jp/corp/ir/stock/performance/
年間配当利回りは、2023年8月1日時点で5.44%で、これは、全企業のランキングでも15位と高いです。
高配当は、ソフトバンクの株を買う動機になります。
情報元:https://diamond.jp/zai/articles/-/242469
アーム株式の取得
アームとは、イギリスの半導体設計会社で、ソフトバンクグループ傘下です。
9月にも米国市場に上場するという話があります。
投資銀行はアームに対し、300億ドル~700億ドルの評価額を提示しています。
情報元:https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-03-03/RQXK3OT0AFBE01
2023年8月14日、ソフトバンクが、アーム株式を25%取得する方向で協議中だと伝わりました。
これが吉と出るか、凶と出るかは、完全に不透明です。
ソフトバンクの株価が10年後に上がるかどうか、大きく左右する事案です。
情報元:https://www.newsweekjapan.jp/headlines/business/2023/08/459307.php
ソフトバンクの株価はなぜ上がらない?
ソフトバンクの株価はなぜ上がらないのか、気になります。
2023年5月、日経平均株価は5ヵ月連続で上昇して、多くの企業がコロナ禍よりも高く推移しています。
ソフトバンクと同業のKDDIやNTTの株価も、1.6倍ほどに伸びています。
にもかかわらず、ソフトバンクの株価はほとんど上がらず、よくて横ばいです。
配当が上がっていない
先ほど、ソフトバンクの配当が、上場企業全体で見ても、とても高いと書きました。
しかし、ここ4年間の伸び率でいうと、ほとんど変わっていません。
それに対し、KDDIやNTTは、配当を順調に増やしています。
KDDIの配当
2023年3月期 | 135円 |
2022年3月期 | 125円 |
2021年3月期 | 120円 |
2020年3月期 | 115円 |
2019年3月期 | 105円 |
情報元:https://www.kddi.com/corporate/ir/stock-rating/dividend/
NTTの配当
2023年3月期 | 120円 |
2022年3月期 | 115円 |
2021年3月期 | 105円 |
2020年3月期 | ー円 (分割につき未表記) |
2019年3月期 | 180円 |
情報元:https://group.ntt/jp/ir/shares/dividend.html
ただし、配当が上がるのは嬉しいですが、元手が多くかかってしまうと簡単には株を買えないですね。
- ソフトバンク=1,604円
- KDDI=4,206円
- NTT=164円
その点、ソフトバンクの株は買いやすいと考えています。
NTTも25分割してかなり買いやすくなりましたが。
減配の可能性が高い
ソフトバンクは、配当が高いと書きました。
株主にとっては嬉しいことですが、プラスの面だけではありません。
配当性向という指標があり、当期純利益に占める配当金の割合を示します。
ソフトバンクは、配当性向が同業他社に比べて非常に高いです。
- ソフトバンク=76.4%
- KDDI=43.5%
- NTT=34.5%
情報元:https://irbank.net/E04426/dividend
https://irbank.net/E04425/dividend
https://irbank.net/E04430/dividend
ソフトバンクの配当性向が、突出して高いことがわかります。
これは、利益を株主に還元する割合が高いことを示しています。
ただ、減益時には配当が減ってしまうリスクがありますので、株価が下がる要因になります。
自己資本比率が低い
ソフトバンクは、財務体制があまり良くないです。
それは、これまでにも、赤字等で説明してきました。
通信3社の自己資本比率を比較してみましょう。
- ソフトバンク=13.2%(銀行業を差し引くと25.56%)
- KDDI=45.0%
- NTT=34.7%
なぜ、ソフトバンクの自己資本比率が低くなるのかと言うと、借り入れが多いからです。
借り入れが多いと、金利の上昇などの影響を受けやすく、財務体制が悪化する可能性があります。
情報元:https://www.mag2.com/p/money/1287986/2
実際に裏目に出たのが、シリコンバレー銀行の破綻時です。
ここまでいろんな面でソフトバンクの株価を調べてきましたが、個人的には魅力的に映りました。
今すぐ買いたい、とまではいきませんが、買ってみても良いかなと考えています。
まとめ
ソフトバンクの株価が危ない?10年後上がる?なぜ上がらないのか調査!について書きました。
- ソフトバンクの株価が危ない?と言われる要因は、連続赤字や投資割合が高いことが挙げられる
- ソフトバンクの株価が10年後上がるかについては、ポジティブ・ネガティブ両面から検討が必要
- なぜ株価が上がらないかについては、配当金や自己資本比率、投資企業という面から考えると説明がつく
ソフトバンクの決算などで話される孫正義のスピーチが、個人的には好きです。
日本を代表する企業なので、これからもリードして欲しいと思います。
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