この記事では
ペロブスカイト太陽電池の価格と販売場所！原理や原料(ヨウ素)も調査！
について書いています。
ペロブスカイト太陽電池が注目を集めてますね。
価格によっては、自宅に太陽光発電を設置することも検討できます。
ペロブスカイト太陽電池が、現実的に活用できるのか、また、それは持続的なのかを調べました。
ペロブスカイト太陽電池の価格
ペロブスカイト太陽電池の価格は、いくらぐらいになるのか、家庭用の太陽光発電を例にとり、調べました。
ペロブスカイト太陽電池の価格は、はっきりしたものは出ていません。
現在使用されている、シリコン製太陽光発電の価格は、100万から150万円と言われています。
ペロブスカイト太陽電池の価格は、印刷するような技術で製造できるので、安くなります。
シリコン製太陽光発電の3分の1から5分の1程度といわれています。
となると20万から50万で、導入できますね。
情報元：https://www.nikken-totalsourcing.jp/business/tsunagu/column/680/
ペロブスカイト太陽電池の販売場所
ペロブスカイト太陽電池の販売場所は、今のところまだ決まってません。
すでに量産を開始している、ポーランドの企業を調べてみました。
世界のペロブスカイト太陽電池の販売場所
ポーランドのスタートアップ企業「サウレ・テクノロジー」が、ペロブスカイト太陽電池の商業生産を、世界で初めて開始しました。
サウレ・テクノロジーは、以下の会社と業務提携をしています。
- コロンブスエナジー（太陽電池設置・サービス最大手）
- MVGM（欧州不動産管理）
つまり、消費者がペロブスカイト太陽電池を欲しいと思っても、電池だけを直接アマゾンなどの販売店から買えるわけではありません。
ペロブスカイト太陽電池の直接の販売場所はありません。
不動産管理会社を通じて、または、設置サービスをしてくれる企業にお願いするという形になります。
ペロブスカイト太陽電池には、どうしても設置プロセスが必要ですよね。
太陽電池そのものだけあっても、設置方法がわからない、または適切でなければ使えません。
販売場所が無いのも納得できます。
情報元：https://fbc.de/ost/ost39025/
日本のペロブスカイト太陽電池の販売場所
日本でも、いろいろな企業がしのぎを削って、ペロブスカイト太陽電池の開発をしています。
しかし、一般消費者が直接販売場所で買えるというものではないでしょう。
- 駅やビルなど施設に設置
- 家庭用として家に設置
- 車などに設置
というパターンが考えられます。
いずれにしても、ペロブスカイト太陽電池の製造会社が、代理店を通じて販売するでしょう。
例えば、小さなモバイル端末にペロブスカイト太陽電池が搭載されるようになるとしても、個人消費者は直接太陽電池を買いませんよね。
すでに、搭載されている端末を購入します。
となると、端末製造会社が購入者、太陽電池製造者が代理店を通じて販売します。
もっと一般に普及すれば、家庭用として購入できる日が来るかもしれませんね。
そうなると、家電量販店やAmazonなどのネット小売り店が、ペロブスカイト太陽電池の販売場所となる可能性もあります。
ペロブスカイト太陽電池の原理
ペロブスカイト太陽電池の原理はどのようになっているのか、調べました。
光エネルギーを電気エネルギーに変換
ペロブスカイト太陽電池とは、ペロブスカイト型の結晶構造を持つ物質を使用した電池のことです。
数十年前からすでに、光エネルギーを電気エネルギーに変換する電池は使われています。
光のエネルギーで電子（－）と正孔（＋）が発生して、それらが移動することで電気が発生する仕組みが使われています。
例えば電卓などがそうですね。
これに使われている電池は、無機系太陽電池で、材料には高価な結晶系シリコンが使われていました。
その後、安価なアモルファス系シリコンとの組み合わせが主流になりました。
光を受けると動ける電子が発生する、光電変換と言われる現象を利用しています。
有機系と無機系
太陽電池には、大きく分けて有機系と無機系があります。
今までの無機系太陽電池に変わって、有機系の太陽電池の開発が盛んになってきました。
背景としては、無機系の材料が高価なこと、製造コストが高いことなどがあります。
有機系としては、色素増感太陽電池や有機簿膜太陽電池が主流です。
両方ともリコーがリードしています。
有機簿膜太陽電池については、リコーが2023年から量産化を予定しています。
色素増感太陽電池とペロブスカイト太陽電池
色素増感太陽電池とペロブスカイト太陽電池には、深い関係があります。
色素増感太陽電池の特徴は、酸化チタンに色素を吸着させたことです。
本来、酸化チタンは白色で、紫外線領域しか吸収を持ちません。
そこに色素吸着させて可視光を増やしました。
つまり、光エネルギーを効率的に捉えられるようにしたのです。
この原理を利用したのがペロブスカイト太陽電池です。
違いは以下の2点です。
使われている物質
色素増感太陽電池とペロブスカイト太陽電池 は、使われている物質が違います。
ペロブスカイト結晶と、無機物の酸化チタンを組み合わせて作ったのが、ペロブスカイト太陽電池です。
電解液
色素増感太陽電池の欠点として、電解液が必要だったことがあります。
電解液が漏れる可能性があるからです。
これについては、全固体型電解液の研究が進められています。
ペロブスカイト太陽電池は、電解液を必要としません。
完全に固体のペロブスカイト結晶を利用します。
これが最大の利点です。
情報元：https://www.sigmaaldrich.com/JP/ja/technical-documents/technical-article/materials-science-and-engineering/photovoltaics-and-solar-cells/zknk-psc
ペロブスカイト太陽電池の原料①ヨウ化鉛
ペロブスカイト太陽電池の原料は大きく分けて以下になります。
- ヨウ化鉛
- メチルアンモニウム
まずは、ヨウ化鉛についてみてみましょう。
ヨウ化鉛とは
ヨウ化鉛は、以下の方法で作れます。
- 二価の鉛の水溶液にヨウ化水素酸もしくは、ヨウ化カリウムを加える
- 硫化鉛とヨウ素を反応させる
鉛とヨウ素の確保がポイントですね。
鉛は、国内で採掘できます。
ペロブスカイト太陽電池の原料②ヨウ素
ヨウ素にはどんなメリット、デメリットがあるのか、また調達は安定してるのかなどを調べました。
材料が安定して手に入るかどうかが、今後長く使えるかどうかを左右します。
ヨウ素は、ペロブスカイト太陽電池に不可欠な原料です。
日本は世界で第2の生産量を誇ります。
ペロブスカイト太陽電池がこんなに注目されてるのは、安価だからだけではなく、世界情勢に左右されないからです。
ヨウ素とは？
ヨウ素は、海草や魚介類にも多く含まれています。
体内で甲状腺ホルモンを合成するために必要なのがヨウ素です。
毎日の摂取量としては1日あたり0.13mgとされています。
しかし日本人は海藻や魚をよく食べるので、1日あたり1mg～3mg摂取しています。
ヨウ素の用途
ヨウ素は様々な分野で使われています。
- X線診断用造影剤
- 偏光フィルム
- 殺菌剤
- 反応媒体
- 安定剤
- 医薬品
- 食塩添加物
- 飼料添加物
- その他
ヨウ素の作り方
ヨウ素の作り方は、以下になります。
- かんすいを汲みあげる
- 溶け込んでいる天然ガスと分離
- ヨウ素を濃縮・採取
- 精製
ペロブスカイト太陽電池の原料に使うために、より安定するよう、日々研究されています。
情報元：https://www.isechem.co.jp/business/businessfield/iodine/
ヨウ素のメリットとデメリット
ヨウ素のメリットとデメリットを調査しました。
ヨウ素のメリット
ヨウ素のメリットとして、リサイクルできるという点があります。
今、日本では、ヨウ素生産量の25％がリサイクルされています。
情報元：https://www.godoshigen.co.jp/business/recycle/
ヨウ素のデメリット
ヨウ素のデメリットとして、ヨウ素を含む化合物は安定性が十分ではないということが挙げられます。
このデメリットを改良する研究がされていて、ソフトなヨウ素を使うと良いという結果が発表されました。
情報元：chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.kyoto-u.ac.jp/sites/default/files/2021-05/210517-ogawa-8a50c9fd334170133c520b416721e38e.pdf
まとめ
ペロブスカイト太陽電池の価格と販売場所！原理や原料(ヨウ素)も調査！について書きました。
- ペロブスカイト太陽電池の価格は、シリコン製の1/3～1/5程度
- 販売場所として、直接買える場所は今のところ無い
- ペロブスカイト太陽電池の原理は、光のエネルギーで発生した電子（－）と正孔（＋）を電気エネルギーに変えること
- その原料として無機系の物質を使っているのが特徴。
- 原料の鉛もヨウ素も日本で調達できる
ペロブスカイト太陽電池について、調べるほどに、頑張ってほしいという気持ちが強くなりました。
各企業だけでなく、国も具体的に頑張ってほしいです。
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