この記事では
ペロブスカイト太陽電池の企業と株価まとめ！関連銘柄の一覧！
について書いています。
政府や地方公共団体も、ペロブスカイト太陽電池を推し進めようとしていますね。
関連にはどんな企業があるのかなど、見やすくまとめました。
ペロブスカイト太陽電池の企業と株価
ペロブスカイト太陽電池の開発や製造に関わっている企業と、その株価を一覧でまとめました。
東芝
東芝は、フィルム型のペロブスカイト太陽電池を、独自の手法で制作しています。
軽量で柔軟性が高く、低コストなのが強みです。
東芝は、太陽光発電を成長事業の一つに位置付けることを発表しています。
売上高の目標は以下になります。
| 21年度 | 330億円 |
| 25年度 | 530億円 |
| 30年度 | 1100億円 |
メニスカス塗布法
東芝のフィルム型のペロブスカイト太陽電池の特徴に、メニスカス塗布法があります。
メニスカスとは、界面張力によって隙間の液体の表面が作る曲面のことで、この力を利用したのが、メニスカス塗布法です。
また東芝は、これまで2回塗布していたのを1回で済むように改良しました。
次のようなメリットがあります。
- 塗布速度が早まった
- 大面積のペロブスカイト膜が、さらに均一になった
面積703平方センチメートルのモジュールで、発電効率が16.6％になりました。
これは、世界最高効率を更新しています。
情報元：chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/green_innovation/green_power/pdf/003_06_00.pdf
東急や学校法人などと実証実験
東芝は、学校法人桐蔭学園、東急株式会社、横浜市と共同で、ペロブスカイト太陽電池の先行実証実験を行います。
駅で行われる実験としては、初の試みです。
具体的には、青葉台駅に、東芝のフィルム型ペロブスカイト太陽電池を設置します。
多くの人が利用する駅で、新型の太陽電池を使うと、それだけ注目や関心が集まりますね。
ペロブスカイト太陽電池に対する理解も、深まります。
情報元：https://www.tokyu.co.jp/company/news/list/Pid=20230209.html
東芝の株価（6502）
東芝の株価（6502）を、直近半年で検証してみました。
2023年6月9日現在の株価は4,526円です。
(画像はTradingView提供のチャート)
日経平均がこの半年でかなり上がっていることを考えると、東芝は評価されていないと言えます。
東芝の経営が混乱していることが、大きな理由でしょう。
投資ファンドの日本産業パートナーズ（JIP）など国内連合による東芝へのTOB（株式公開買い付け）について、株主に対して応募を推奨すると発表しました。
情報元：https://news.yahoo.co.jp/articles/4e27cee7d535f1e090e99ac67d49e1baf17c50b4
しかし、TOBの成立は5分5分という懸念があります。
情報元：https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD116A40R10C23A5000000/
積水化学工業
積水化学工業は、もともと太陽電池で実績はありませんでした。
だから、開発にはかなり苦しんだといいます。
しかし、耐久性にこだわった開発を進め、2015年にはNEDO（新エネルギー・産業技術総合開発機構）のプロジェクトに参画できました。
積水化学工業は、2025年に事業化することを目指しています。
情報元：https://www.zaikai.jp/articles/detail/1965/2/1/1
積水化学工業の独自技術
積水化学工業のフィルム型ペロブスカイト太陽電池には、独自技術が詰まっています。
具体的には封止・プロセス・材料・成膜の項目で、独自技術を採用しています。
これにより、以下のようなメリットがあります。
- 屋外耐久性10年相当を確認
- 発電効率15.0％達成
- 30センチ幅でのロールツーロール要素技術完成
まるで印刷するように、フィルム型ペロブスカイト太陽電池を作製できます。
情報元：chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/green_innovation/green_power/pdf/003_07_00.pdf
NTTデータと実証実験
積水化学工業は、NTTデータと共同で、両社の既存建物外壁に太陽電池モジュールを設置し、実証実験を行います。
情報元：https://www.sekisui.co.jp/news/2023/1384297_40075.html
うめきた（大阪）駅に設置
積水化学工業は、西日本旅客鉄道株式会社が2025年に開業を目指すうめきた（大阪）駅に、フィルム型ペロブスカイト太陽電池を提供することを発表しました。
新しい駅に新技術を使うことで、大きくアピールできますね。
情報元：https://www.sekisui.co.jp/news/2022/1377721_39136.html
東京都と実証実験
積水化学工業は、東京都と、フィルム型ペロブスカイト太陽電池の共同研究を開始することを発表しました。
具体的には2023年5月から、森ヶ崎水再生センターにペロブスカイト太陽電池を設置します。
これは国内最大規模の検証になります。
情報元：https://www.sekisui.co.jp/news/2022/1382290_40074.html
積水化学工業は、このように官民問わず積極的に実証実験を行っています。
積水化学工業（4204）の株価
積水化学工業（4204）の株価を、直近半年で検証してみました。
2023年6月9日現在の株価は、2,006円です。
(画像はTradingView提供のチャート)
ここ半年の間に、順調に上がってきています。
Yahoo!掲示板でも、買いたいという方が多いです。
ホシデン
ホシデンは、電子部品メーカーです。
2021年4月に、ペロブスカイト太陽電池事業に参入することを発表しました。
滋賀県にある、関係会社のホシデンエフディのタッチパネル製造ラインを活用して生産します。
2021年中にサンプル品を出荷、2023年から量産を開始、2024年には、韓国やベトナムの工場で、フィルム型の量産を予定しています。
情報元：https://www.pveye.jp/inside_news/view/648/
また、ホシデンは、2023年3月に京大系スタートアップ「エネコートテクノロジーズ」に増資しています。
「エネコートテクノロジーズ」は、NEDO（新エネルギー・産業技術総合開発機構）の次世代型太陽電池の開発プロジェクトに採択されています。
鉛フリーへの取り組み
ペロブスカイト太陽電池は、CO2の排出抑制に役立ちますが、原材料に鉛を使用しています。
鉛を使用してると、環境やリサイクルに問題が生じます。
ホシデンでは、材料の置き換えを進めていきたいとしています。
情報元：https://www.pveye.jp/inside_news/view/648/
モバイル機器やIoT機器向け
ホシデンでは、他の企業や公共団体との共同実証実験等は見つかりませんでした。
それは、ホシデンが作成するペロブスカイト太陽電池が、モバイル機器やIoT機器向けだからではないかと考えています。
ホシデンが電子部品メーカーであることを考えても、自然でしょう。
ただ、フィルム型の量産も視野に入れてるので、大型の電池も作れるようになるのかな？と思っています。
情報元：chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.hosiden.com/dcms_media/other/tougouhoukokusyo2022.pdf
ホシデン（6804）の株価
ホシデン（6804）の株価を、直近半年で検証してみました。
2023年6月9日現在の株価は、1,759円です。
(画像はTradingView提供のチャート）
ここ半年で順調に上がってきていましたが、5月半ばから下落基調にあります。
リコー
株式会社リコーは、事務機器、光学機器などを製造するメーカーです。
プリンターを製造してるイメージを持ってる方が多いと思いますが、事業内容は多岐にわたります。
最近では、東芝とコピー機などの生産部門を統合する方向で話題になりました。
情報元：https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230518/k10014071731000.html
リコーは、色素増感太陽電池を実用レベルまで引き上げた実績を、すでに持っています。
これはペロブスカイト太陽電池のルーツともいえる技術です。
宇宙での利用
リコーが開発するペロブスカイト太陽電池は、耐久性が高く軽量化が可能なので、宇宙での利用も視野に入れています。
JAXAと共同開発をしています。
情報元：chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://jp.ricoh.com/-/Media/Ricoh/Sites/jp_ricoh/technology/exhibition/nanotech2020/pdf/PSC.pdf
九州大学と共同開発
リコーは、フレキシブル環境発電デバイスを、九州大学と共同開発しました。
これは軽量、薄型、フィルム形状の有機簿膜太陽電池です。
屋内から屋外まで、高効率な発電を行える特徴を持っています。
情報元：https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/2204/11/news050.html
リコー（7752）の株価
リコー（7752）の株価を、直近半年で検証してみました。
2023年6月9日現在の株価は1,245円です。
（画像はTradingView提供のチャート）
綺麗な上昇チャートを描いています。
Yahoo!掲示板でも、買いたいという声が圧倒的に多いです。
三菱マテリアル
三菱マテリアルは、金属・電子材料・再生可能エネルギーなど、幅広い事業を展開しています。
三菱マテリアルも、ホシデンと同様に、京大系スタートアップ「エネコートテクノロジーズ」に出資しています。
2020年5月、2022年3月に出資しました。
「エネコートテクノロジーズ」は、NEDO（新エネルギー・産業技術総合開発機構）の次世代型太陽電池の開発プロジェクトに採択されています。
情報元：https://www.mmc.co.jp/corporate/ja/news/press/2022/22-0328a.html
鉛レスを目指す
三菱マテリアルは、ペロブスカイト太陽電池の鉛レス化に必要な材料等に関して、「エネコートテクノロジーズ」と協業することを検討しています。
材料に強みを持つ同社が、鉛レス化に貢献できれば、大きな進歩につながります。
三菱マテリアル（5711）の株価
三菱マテリアル（5711）の株価を、直近半年で検証してみました。
2023年6月9日現在の株価は2,456.5円です。
（画像はTradingView提供のチャート）
こちらも、綺麗な上昇チャートを描いています。
ただ、Yahoo!掲示板では、様子見という声が多かったです。
富士フイルムホールディングス
富士フイルムホールディングスと言えば、最近では、ヘルスケアのイメージも強いですが、元々は社名にもあるように、フィルムの会社です。
ペロブスカイト太陽電池は、その製造工程からフィルムメーカーが得意とすると言われています。
フィルムや基盤に塗布して作成するために、既存の技術を活用できるからです。
その点、富士フイルムホールディングスがリードしているとも言えます。
ペロブスカイト太陽電池の産みの親は元富士フイルム社員
ペロブスカイト太陽電池の産みの親は、桐蔭横浜大学特任教授の宮坂力さんです。
宮坂教授は元富士フイルム社員でした。
大学で研究していたのが、色素増感で、富士フイルムで色素増感太陽電池の開発をしました。
これが、今のペロブスカイト太陽電池につながっているのです。
こう考えると、やはり、富士フイルムと、ペロブスカイト太陽電池の関係は深いと捉えられます。
情報元：https://www.adcom-media.co.jp/remark/2016/10/25/24284/2/
色素を販売
富士フイルムは、色素増感太陽電池用色素（DSC色素）を販売しています。
つまり、自社で製造するよりも、材料を販売するという戦略を取っています。
ペロブスカイト太陽電池についても、同様の戦略になる可能性が高いと言われています。
情報元：https://specchem-wako.fujifilm.com/jp/dye-sensitized-solar-cell/
富士フイルムホールディングス（4901）の株価
富士フイルムホールディングス（4901）の株価を、直近半年で検証してみました。
2023年6月9日現在の株価は8,731円です。
（画像はTradingView提供のチャート）
こちらも、綺麗な上昇チャートを描いていますが、最近はやや小康状態です。
Yahoo!掲示板でも、買いたい派が優勢ですが、売りたいという声もありました。
ちなみに、記事が長くなりすぎたので、フジプレアム･カネカやパナソニックはペロブスカイト太陽電池で買い推奨？アイシンも調査！もご覧ください。
ペロブスカイト太陽電池の関連銘柄
ペロブスカイト太陽電池の関連銘柄についてまとめました。
主に、材料等を製造してる銘柄になります。
K&Oエナジーグループ
K&Oエナジーグループは、ガスやヨウ素事業等を行う企業です。
ペロブスカイト太陽電池の主原料は、ヨウ素です。
そのため今後も、ヨウ素の需要が伸びることが期待できます。
K&Oエナジーグループのヨウ素の年間生産量は約1600トンで、これは世界シェアの5％にあたります。
K&Oエナジーグループは、中期経営計画の中心にヨウ素事業を据えています。
エネルギーとヨウ素の開発・生産・販売を通じ、
https://www.k-and-o-energy.co.jp/ir/strategy/plan.html
快適で豊かな生活と持続可能な社会の実現に貢献します。
K&Oヨウ素株式会社
K&Oエナジーグループは、2022年に、K&Oヨウ素株式会社をスタートさせました。
この会社は、ヨウ素およびヨウ素化合物の製造販売を行うことを目的としています。
社名にヨウ素と入っていることから、コミット具合がわかりますね。
また、この会社には豊田通商が出資してます。
豊田通商は、日本・アメリカ・チリ3国でヨウ素事業を推進する、世界で唯一の会社です。
情報元：https://www.toyota-tsusho.com/press/detail/211220_005823.html
製造設備の拡充
K&Oヨウ素株式会社は、製造設備をつねに拡充していきます。
特に注目なのは「イオン交換樹脂法設備」です。
イオン交換樹脂法は、K＆Oヨウ素株式会社が世界で唯一、最終工程まで運用してます。
特徴は一言で言うと、小規模で小回りが利くことです。
大規模な製造向きの「ブローイングアウト法設備」と組み合わせることで、ヨウ素の製造が効率的になります。
K&Oエナジーグループ（1663）の株価
K&Oエナジーグループ（1663）の株価を、直近半年で検証してみました。
2023年6月9日現在の株価は2,249円です。
（画像はTradingView提供のチャート）
4月下旬まではわりと上昇を描いていましたが、最近は下落基調です。
しかし、Yahoo掲示板では、買いたい派が100%です。
ペロブスカイト太陽電池関連銘柄としての人気から直近で上げすぎた、その反動で下げてるのでは？
下がっている間に買い増しする、などの声がありました。
伊勢化学工業
伊勢化学工業は、AGC子会社の専門化学メーカーです。
ヨウ素や天然ガス、金属化合物事業を行っています。
伊勢化学工業は、世界屈指のヨウ素サプライヤーで、世界の約15％のヨウ素を生産しています。
また、世界的に見てもヨウ素はチリで60％、日本で30％と、大半がこの2ヶ国で生産されています。
日本が、国策としてペロブスカイト太陽電池を推進していることから、伊勢化学工業もかなり注目されています。
情報元：https://www.isechem.co.jp/business/businessfield/
山形大学と共同研究
伊勢化学工業は、山形大学と共同研究を行ってます。
伊勢化学工業の持っているヨウ素の生産技術と、山形大学の知見で、今後も新たな成果が出るかもしれませんね。
伊勢化学工業（4107）の株価
伊勢化学工業の株価を、直近半年で検証してみました。
2013年6月9日現在の株価は、9,080円です。
(画像はTradingView提供のチャート）
伊勢化学工業の株価は、2023年2月に入ってからすごい勢いで上昇しています。
5月に、東京都がペロブスカイト太陽電池の実用化に向けた検証を開始した、と発表した時にも反応していました。
また決算が良かった事も追い風となっています。
ヤフー掲示板でも、買いたい方が多いものの、ちょっと上がりすぎて買えないという声もありました。
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まとめ
ペロブスカイト太陽電池の企業と株価まとめ！関連銘柄の一覧！について書きました。
- ペロブスカイト太陽電池の企業には、東芝・積水化学工業などたくさんある
- ペロブスカイト太陽電池の関連銘柄は主にヨウ素製造企業
- 国策のために、株価は軒並み上昇基調
ペロブスカイト太陽電池の企業や関連銘柄には、熱い視線が集まっていることがわかりました。
今までいろんな産業でなかなか主導権を握れなかった日本ですが、ここはふんばって世界をリードしてほしいですね。
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