この記事では
ペロブスカイト太陽電池のデメリットまとめ！量産はいつごろかも調査！
について書いています。
ペロブスカイト太陽電池は、メリットがとても多いですよね。
また、日本も、国として力を入れるように首相が指示をしました。
弱点や実際に使えるようになるのがいつ頃なのか、気になったので調査しました。
ペロブスカイト太陽電池のデメリット
ペロブスカイト太陽電池のデメリットをまとめました。
変換効率の低下
ペロブスカイト太陽電池のデメリットとして、変換効率の低下があります。
原因は、ペロブスカイトが酸素や水分などの外的影響を受けやすいことです。
また、加熱による劣化で、不安定になることも一因です。
これらが理由で、結晶内で支障をきたし、電子の軌道が非効率になると、光エネルギーから電気へ変換する効率が低下します。
ペロブスカイト電池を開発している各企業も、変換効率はかなり重視しています。
情報元：https://www.jst.go.jp/seika/bt107-108.htm
最高変換効率
ペロブスカイト太陽電池の最高変換効率は、今のところ22.7％です。
この数値は、
- 京都大学の若宮淳志教授
- イギリスオックスフォード大学のヘンリースネイス教授
らが、開発しました。
また、東京大学の瀬川強氏によると、研究レベルでは最高の25.5％まで上がったそうです。
変換効率が将来的に35％程度まで上がれば、車も太陽電池で長時間走る事が出来ると言います。
情報元：https://www.data-max.co.jp/article/44140
日本企業の最高変換効率
日本企業や研究機関の、ペロブスカイト太陽電池の最高効率は以下です。
- 物質・材料研究機構（NIMS） 20％以上を維持
- パナソニック 17.9％ （900㎠）
- 積水化学工業 15.0％
- 東芝 16.6％（703㎠）
- カネカ 22.2％（100㎠）
こうして並べてみると、カネカが1番変換効率が高いように見えます。
しかし、各企業は大きさや条件が異なる中で変換効率を出しているので、単純には比較できません。
大きい電池で高い変換効率を出すのが、難しいです。
耐久性が低い
ペロブスカイト太陽電池のデメリットとして、耐久性が低いことも上げられます。
ペロブスカイト太陽電池は、屋外に設置されるケースが多いです。
先ほど変換効率の低下のところでも書いたように、ペロブスカイトは外的影響を受けやすいです。
常に酸素や水分にさらされる屋外で、いかに耐久性を保てるかがこれからの課題です。
また、太陽電池自体が発電することで、加熱による劣化の影響も大きいです。
鉛を使用
ペロブスカイト太陽電池のデメリットとして、鉛を使用していることも、見逃せません。
他の電池に比べると、鉛の使用量は少量です。
しかし、環境への影響は問題視されています。
鉛の環境への影響
鉛が環境にもたらす影響には、次のようなものがあります。
土壌汚染
昔の電化製品には、鉛が良く使われていました。
これらの電化製品は、燃えないゴミとして埋め立てられていますが、ここに酸性雨が降り注ぎます。
酸性雨が降るのは、工場などが出す大気汚染が原因です。
酸性なので、埋め立てられたゴミの鉛が溶け出します。
そこで土壌も汚染されます。
海洋汚染
汚染された土壌の鉛成分は、川や海にも流れ込みます。
そこに住んでいる魚が汚染されます。
こうして人間にも蓄積していきます。
鉛の人体への影響
鉛が人体にどのような影響を及ぼすのでしょうか？
記憶にあるところでは、アメリカに住む4歳の女の子が、靴についていたアクセサリーを誤飲し、死亡したケースがあります。
このように、急性鉛中毒を起こし、死亡することもあります。
軽い場合は、疲労感・不眠・神経過敏・頭痛・精神異常・疲労感・睡眠不足・便秘などを起こします。
情報元：https://www.tak-g.jp/pages/36/
ペロブスカイト太陽電池のメリット
ペロブスカイト太陽電池のメリットもたくさんあります。
どんな点が良いのでしょうか？
軽い
ペロブスカイト太陽電池のメリットとして、軽いことが上げられます。
- シリコン型太陽電池の重さ 1㎡あたり11kg～13kgくらい
- ペロブスカイト太陽電池の重さ 1㎡あたり1.1kg～1.3kgくらい目標
薄い
ペロブスカイト太陽電池は、従来の電池に比べると薄いです。
そのため、設置場所の幅が広がります。
これまでの形状なら建物の上にしか設置できなかったけれど、壁に設置もできます。
柔らかい
ペロブスカイト太陽電池は、従来の電池に比べると柔らかいです。
そのため、曲面にも設置ができます。
コストが安い
ペロブスカイト太陽電池の加工は、印刷と同じような技術です。
高温加工・複雑な加工が必要ありません。
なので、設備も安価で済みます。
また、必要なエネルギーも少なくて済みます。
そのため製造コストが安くなります。
レアメタルが不要
レアメタルとは、希少金属のことですが、ペロブスカイト太陽電池にはレアメタルが必要ありません。
今流通している結晶系シリコンの太陽電池の製造には、レアメタルが必要です。
このように必要な金属があると、金属の調達に問題が生じると、製造コストが上がります。
ペロブスカイト太陽電池の原料は、化合物系です。
化合物ということは、自分たちで作れます。
主要な原料はヨウ素などです。
世界のヨウ素化合物の製造のうち、30％が日本です。
この面でも、日本がリードできる可能性が高いです。
情報元：https://www.aist.go.jp/aist_j/magazine/20221124.html
ペロブスカイト太陽電池の量産化
ペロブスカイト太陽電池の量産化は、具体的にいつ頃になるのでしょうか？
各企業が目標を掲げています。
パナソニック
パナソニックは、ペロブスカイト太陽電池の量産化について、具体的な時期は明記していません。
ただ、実用化の予想として、
- 2026年頃までに 小さな面積のペロブスカイト太陽電池が屋内外発電用として実用化
- 建材用が2026年よりもっと先
としています。
情報元：https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/02316/020600056/
積水化学工業
積水化学工業も、ペロブスカイト太陽電池の量産化について、具体的な時期は明記してません。
ただ、
事業化の時期 2025年
を目指してます。
情報元：https://www.sekisui.co.jp/news/2023/1384297_40075.html
カネカ
カネカも、ペロブスカイト太陽電池の量産化について、具体的な時期は明記してません。
ただ、カネカが出している研究開発計画によると、
- 2025年まで 実用化事業を行う
- 2026年から 量産技術の深耕、個別製品技術開発に移行する
としています。
情報元：chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/green_innovation/green_power/pdf/003_08_00.pdf
リコー
リコーも、ペロブスカイト太陽電池の量産化について、具体的な時期は明記していません。
ちなみに有機薄膜太陽電池については、2023年から量産化すると目標を掲げています。
情報元：https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF128MC0S2A410C2000000/
アイシン
アイシンも、ペロブスカイト太陽電池の量産化については明言していません。
- 2025年に実証実験を目指すことを公言
- 量産化は2025年以降
になります。
東芝
東芝は、ペロブスカイト太陽電池の量産化について、
- 2025年頃 商用化を目指す
- 2030年度 売上高に貢献する見通し
を立てています。
情報元：https://www.global.toshiba/jp/technology/corporate/rdc/rd/topics/21/2109-01.html
まとめ
ペロブスカイト太陽電池のデメリットまとめ！量産はいつごろかも調査！について書きました。
- ペロブスカイト太陽電池のデメリットは、変換効率の低下・耐久性の低さ・鉛使用
- メリットは、軽い・薄い・柔らかい・コストが安い・レアメタル不要
- 量産化は、2025年頃を目標にしている企業が多い
地球の環境や資源を考えると、ペロブスカイト太陽電池の実用化が早くなればいいなと思います。
各家庭で、窓に太陽電池を貼って発電するなんて良いですよね。
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